従業員・役員等の逮捕時の危機管理

1.はじめに

企業不祥事とは、企業が業務を行う中で発生し、多大な損失をもたらす可能性のある問題や事故のうち、当該企業による故意又は過失(注意義務違反)が主な原因となるものを言います。

企業不祥事には様々な種類のものがあり、業務上横領や情報漏洩といった刑事罰の対象となるものからSNSへの不適切な投稿といったものまで多岐にわたります。

しかし、どのような企業不祥事であったとしても、企業側の不注意や不適切な対応が原因で発生することが多く、不祥事の内容によってはその後の対応に多大な時間を費やさなければなりません。場合によっては、企業不祥事が原因となって、倒産につながるということも稀ではありません。東京商工リサーチが発表している「コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2024年)によると、令和6年度のコンプライアンス違反を原因とする倒産は388件となっています。このように、企業不祥事は非常に重いものであり、不祥事が起きた場合には損失を少しでも減らすためには適切な対応を取ることが求められます。

企業犯罪・不祥事が生じた場合には、早急に被害届を提出したり、不法違行為をした者に対し、企業に生じた損害の賠償請求をするようにしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、多くの企業犯罪を取り扱っているため、企業が抱える法的問題を徹底検証し、企業犯罪・不祥事案件に精通した弁護士が一から丁寧に、かつ迅速に事件対応をすることができます。

2.社内調査

社内調査の方法としては、資料を確認することもありますが、従業員への聞き取りが最初に頭に浮かぶのではないでしょうか。

では、従業員には、社内調査の聞き取りに応ずる義務があるのでしょうか。この点について、最高裁昭和53年12月13日民集31巻7号1037頁は「そもそも、企業秩序は、企業の存立と事業の円滑な運営の維持のために必要不可欠なものであり、企業は、この企業秩序を維持確保するため、これに必要な諸事項を規則をもって一般的に定め、あるいは具体的に労働者に指示、命令することができ、また、企業秩序に違反する行為があった場合には、その違反行為の内容、態様、程度等を明らかにして、乱された企業秩序の回復に必要な業務上の指示、命令を発し、又は違反者に対し制裁として懲戒処分を行うため、事実関係の調査をすることができることは、当然のことといわなければならない。しかしながら、企業が右のように企業秩序違反事件について調査をすることができるということから直ちに、労働者が、これに対応して、いつ、いかなる場合にも、当然に、企業の行う右調査に協力すべき義務を負っているものと解することはできない。けだし、労働者は、労働契約を締結して企業に雇用されることによって、企業に対し、労務提供義務を負うとともに、これに付随して、企業秩序遵守義務その他の義務を負うが、企業の一般的な支配に服するものということはできないからである。そして、右の観点に立って考えれば、当該労働者が他の労働者に対する指導、監督ないし企業秩序の維持などを職責とする者であって、右調査に協力することがその職務の内容となっている場合には、右調査に協力することは労働契約上の基本的義務である労務提供義務の履行そのものであるから、右調査に協力すべき義務を負うものといわなければならないが、右以外の場合には、調査対象である違反行為の性質、内容、当該労働者の右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが労務提供義務を履行する上で必要かつ合理的であると認められない限り、右調査協力義務を負うことはないものと解するが、相当である。」と述べ、聞き取り調査に応じる義務が生じる場合と生じない場合があると判断しています。そのため、聞き取り調査を実施する場合には、義務が生じるのか否かの確認を弁護士にするようにしましょう。

3.マスコミ対応

企業犯罪・企業不祥事をマスコミに報道された場合には、情報が直ちに拡散され、必要以上に企業イメージが低下する可能性があります。また、企業犯罪・企業不祥事の内容によっては、マスコミから情報発信するのではなく、企業の方から積極的に情報発信することで「隠蔽体質」の企業と判断されるのを防ぐ必要があります。そのため、早急に弁護士に相談をし、記者会見を開く等してマスコミ対応をしましょう。その際には、以下の点にも配慮できると良いでしょう。

・法律上の責任だけでなく、道義上の責任の有無をも含めた検討  

・企業犯罪、企業不祥事の原因追及

・再発防止策の検討

・記者からの質問の想定及び回答の検討

・記者会見を開く最も効果的なタイミング

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、企業犯罪・企業不祥事に精通している弁護士が所属しており、企業の法務部門と連携することで最も効果的なマスコミ対応を提言させていただきます。

4.取引先への説明

企業の取引先としても、取引先である企業が信用することができる企業であるのか否かという要素も重要となります。そのため、企業犯罪・企業不祥事のあった企業という情報は取引をするに当たって不利になる事情となります。企業犯罪・企業不祥事があったとしても、適切に対応することができる企業であると認められれば、信用することができる企業であるとして取引を継続してもらえる可能性が出てきます。

企業犯罪・企業不祥事が発生してしまった場合には、早急に事実関係の確認をしましょう。事実関係の確認ができたら、事実がデマである場合には事実とは異なる情報である旨の声明文を、事実である場合には再発防止に努める旨の声明文を出し、自浄作用のある企業であることを発信しましょう。声明文は、企業のホームページやSNSアカウント等、多くの人が目にする場所に掲載することが重要です。

5.おわりに

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、企業犯罪・企業不祥事を重点的に扱っており、企業犯罪・企業不祥事に強い弁護士がチームを組み、初動から解決まで一貫してサポートいたします。また、企業犯罪・企業不祥事の知識経験が豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元会計検査院官房審議官などの弁護士が在籍しており、専門チームを組んで事件に対応することが可能なので、企業犯罪・企業不祥事の事案に応じた最適な解決策をご提案し、あなた様の平穏な生活を守れるように尽力いたします。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回相談は全て無料となっておりますので、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所所属の弁護士が、あなた様の不安を少しでも軽減できるよう、相談に対応させていただきます。

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