1.はじめに
私たちが生活をするにあたって、自動車の存在はなくてはならない存在です。昨今、若者の車離れが取り沙汰されるなど、車を利用しない生活を送る人が増えています。
しかし、マイカーを所有しないものの、旅行に行く際に、レンタカーを借りて運転するという人は多いのではないでしょうか。現に、運転免許を取得している人数は、令和6年時点で8174万2303人と多くの人が車を運転することができる環境にいます(警察庁『運転免許統計(令和6年版)』参照)。
車は便利な道具であるとともに、道路交通法を守っていたとしても交通事故に巻き込まれ、重大な怪我を負ってしまう危険性が潜んでいます。警察庁の発表によると、令和6年度の交通事故による死者数は、2,663人であり、交通事故による重傷者数は、27,285人です。
そのため、「自分は安全運転をしているから大丈夫だ」と慢心するのではなく、どんな人であっても交通事故に巻き込まれてしまう危険性がある以上、万が一に備えて、個通事故に遭ってから損害賠償金の支払いが行われるまでの流れを確認しましょう。
2.交通事故の被害に遭われたら
交通事故発生から民事解決までの一般的な流れは、図1のとおりです。
図1 交通事故発生から民事解決までの一般的な流れ
交通事故の被害に遭った場合には、直ちに警察に届け出るようにしましょう。交通事故の被害者であったとしても、交通事故の報告義務を負っている(道路交通法72条1項後段)ので、警察への届出を怠ってしまうと、「3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金」(道路交通法119条1項10号)に処せられるので、注意が必要です。
また、交通事故の被害に遭った方が自動車を運転していない場合には、上記義務を負っていませんが、警察への届出をしないと、交通事故現場の実況見分等の捜査が行われず、事故態様を明らかにすることが困難になってしまいます。
ドライブレコーダー等の事故状況を明らかにすることができない証拠がないと、そもそも交通事故が発生したこと自体も明らかにできないおそれがあります。すなわち、交通事故の被害に遭ったことを報告しないということは、被害者の不利益になることしかないのです。
そこで、交通事故の被害に遭った場合には、直ちに警察に届け出るようにしましょう。また、交通事故の被害に遭ったことで怪我をした場合には、必ず人身事故として届け出るとともに、怪我をしていないと感じていても、時間が経ってから症状が出ることもあるので、念のため病院で受診するようにしましょう。
3.入通院
交通事故の被害に遭ったことを理由として、損害賠償請求をしようと考えているのであれば、医師の指示に従って入通院しましょう。自己判断で入通院してしまうと、加害者側の保険会社から①治療費の打ち切りを提案されやすくなる、②入通院慰謝料を減額される可能性がある、③後遺障害が残ったとしても認められ難くなるという不利益を被るリスクを負うことになります。
特に、自己判断で入通院を繰り返していると、入通院慰謝料の増額のために入通院をしているのではないかとあらぬ疑いをかけられることになります。そのため、入通院の頻度等については、医師と相談をしたうえで、医師の指示に従うようにしましょう。
4.怪我が完治しない場合
後遺症の症状の例としては、むちうち、手足のしびれ、めまい、神経痛等があります。
怪我が完治せず、後遺症が残ったとされた場合には、労働能力の低下の程度、収入の変化、将来の昇進・転職・失業等の不利益の可能性、日常生活上の不便等を考慮して、損害額が算定されます。そして、労働能力の低下の程度については、労働省労働基準局長通牒(昭32・7・2基発第551号)別表労働能力喪失表を参考として、被害者の職業、年齢、性別、後遺症の部位、程度、事故前後の稼働状況等を総合的に判断して算定されます。
例えば、50歳で年収500万円の男性サラリーマンが傷害を負い、後遺症により労働能力35%低下した場合には、2304万675円の損害が認められます(労働能力喪失期間の始期は症状固定日であり、終期は原則として67歳までとされています。)。
交通事故によって負った怪我が完治せず、後遺症が残った場合には、「自動車損害賠償保険後遺障害診断書」を医師に作成してもらいましょう。
5.損害賠償請求
交通事故によって怪我を負った場合には、基本的には加害者又は加害者が加入している保険会社に損害賠償請求をすることになります。加害者から損害賠償金を獲得する手段としては、主に、調停又は訴訟といった裁判手続を利用する手段と裁判手続を利用しない示談という手段が考えられます。
(1)示談
治療により怪我が完治した場合や、納得できる示談金を提示された場合には、示談に応じることを検討すべきでしょう。示談による損害賠償金を獲得する手段のメリットとしては、早く事件を解決できるという点にあります。
もっとも、示談は交渉事であるため、互いに納得することができなければ、早期の事件解決は困難になることでしょう。なお、示談交渉によっては、金額の総額に成功し、訴えを提起した場合と同額程度が獲得できることもあれば、任意保険会社からの金額がほとんど獲得できないこともあります。
また、被害者の方の連絡先を知っているとして、弁護士に依頼をしないで、ご自身で示談交渉をされる方もいます。しかし、当事者間の示談交渉は、お互いに知っている者だからこそ、難航するケースが非常に多く見受けられます。仮にうまく示談を成立させることができたとしても、法的に不十分又は無効な示談であったとして、苦労した示談交渉が無に帰してしまう危険性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、示談交渉に優れた弁護士が所属しているため、法的に安全かつ確実に示談成立の成功率を上げることができます。示談をしようとお考えの方は、経験豊富で示談交渉に優れた弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
(2)裁判手続
事故態様等の事実関係に争いがあり、示談交渉で金額に折り合いがつかなかった場合や、納得のいく後遺障害等級が得られなかった場合には、加害者に対して、損害賠償請求を提起し、裁判所に判断してもらうことになります。
民事訴訟を提起する場合には、通常、事件解決まで1年程度かかることから、長期間の時間もかかりますし、弁護士に依頼をする場合には弁護士費用もかかります。また、時間や手間をかけたとしても、満足のいく結果が得られるとも限りませんので、注意が必要です。
示談交渉が失敗し、損害賠償請求を提起しようとお考えの方は、交通事故の民事訴訟に精通した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
6.おわりに
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通事故事件を重点的に扱っており、交通事故に強い弁護士が初動から裁判まで一貫してサポートいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回相談は全て無料となっておりますので、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所所属の弁護士が、あなた様の不安を少しでも軽減できるよう、相談に対応させていただきます。