1.はじめに
「自分は真面目に生きているから刑事事件とは一生縁がない」と思っている方は多いかと思います。しかし、誰しもが刑事事件の被害者となる危険性はあり、その時は何の前触れもなく突如としてきます。現に、令和5年度の刑事事件の認知件数は70万3,351件と非常に多く(『令和6年版犯罪白書』第1編第1章第節参照)、毎日どこかで約1,926件の犯罪が起きているということになります。このように、日本で生活しているだけで刑事事件の被害者となる危険性が高いということが分かるかと思います。刑事事件の被害者となってしまうと、動揺し、どのような対応をしたらいいのか不安になるかと思います。特に、昨今は情報化社会が進んできているため、事件に関する個人情報が少しでも漏れてしまうと、被害者やご遺族の方々のプライバシー侵害につながる危険性だけでなく、その後の生活の安全性をも脅かされる危険性もあります。現に、被害者やご遺族の方々がお話していない事柄を憶測であたかも事実のように報道したり、被害者側に落ち度があるかのように報道したりと、事実誤認や偏向報道により、第三者からいわれのない誹謗中傷を受け、更なる精神的苦痛を負わされる危険性を孕んでいます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被害者支援だけでなく、加害者側の刑事事件も多く扱ってきた経験からどのような対応をすればよいのかを刑事事件に精通している弁護士が一から丁寧に対応いたします。
2.被害者やご遺族の方々の安全確保
警察では、報復のおそれのある被害者やご遺族の方々に対し、捜査情報の連絡や、希望により自宅付近のパトロールを実施しています。また、加害者が刑事裁判によって実刑判決を受けて刑務所に長期間行くことになったとしても、出所するのは原則として実刑の期間満了時ですが、刑期満了前に仮釈放され出所することが多いです。そのため、被害者等通知制度を利用することで、検察官から加害者が収用されている刑事施設や出所時期等の情報の通知を受け、報復のおそれといった出所後の対応を早い段階から考えておくことが重要です。
特に、DV被害、ストーカー被害、児童虐待被害等といった加害者に被害者やご遺族の方々の個人情報が知られている事案の場合には、安全確保としての対応策を考えることが急務です。このような事案では、加害者が逆上する傾向にあり、殺人事件という取り返しのつかない被害に遭う危険性が非常に高いです。加害者との間で示談交渉を行っている場合には、加害者が被害者の生活圏内に立ち入らないこと等の条件を提示することで、加害者に法的にも心理的にも被害者やご遺族の方々に接触する負担を課すこともできます。弁護士を選任して、弁護士に示談交渉を任せることができれば、弁護士が被害者やご遺族の方々の代わりに、将来的に接触されないように条件を付した示談を成立することが可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、多くの刑事事件を扱ってきており、被害者やご遺族の方々の安全を確保する方法を熟知しております。相手方の対応でお困りの方は、お気軽にお電話ください。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、困っている被害者やご遺族の方々の味方です。
3.被害者やご遺族の方々のプライバシー保護
(1)報道される前の対応策
マスコミは、加害者側の実名を伏せることがありますが、被害者の方の実名を報道することがよくあります。加害者の情報は匿名化されているのに対し、被害者の情報が報道されているのをニュース等で見たことがある人も多いのではないでしょうか。特に、社会的関心の高い事件については、実名報道の傾向にあります。被害者の方の情報は、警察からの情報がきっかけとなることが多いです。そのため、弁護士に依頼をし、警察に被害者情報を匿名発表にするよう働き掛けてもらう等、早期の対応が重要となります。第一報は実名報道であっても、続報で匿名報道に切り替えるケースもあるので、既に実名報道がされてしまったとしても、諦めることなくマスコミに働き掛けることは大切です。
また、マスコミは、被害者やご遺族の方々の精神状態にかかわらず、被害直後に取材をしたり、取材をするために自宅周辺に張り込んできます。被害直後は、捜査機関への協力等で大変なため、マスコミ対応まですることは非常に負担だと思います。早期に弁護士を選任し、マスコミ側に被害者やご遺族の方々への直接取材を禁止するように表明しましょう。仮に、取材対応をしたいのであれば、ご自身の考えをマスコミに正確に伝えるために、事前に文書を用意しておくと良いでしょう。
さらに、被害者やご遺族の方々の考えを世論に訴えたいとして記者会見をコメント発表をすることもできますが、その影響力は非常に大きいため、弁護士に相談をし、最も効果的な実施するタイミングの検討やリハーサルをするようにすると良いでしょう。
(2)報道されてしまった場合の対応策
ア 裁判外での主な対応策
①マスコミ各社への第三者機関への申立て
②放送と人権等権利に関する委員会(BRC)への申立て
③放送事業者に対する訂正報道の請求
④日本雑誌協会が設置する雑誌人権ボックス(MRB)への申立て
⑤インターネットサイト管理者に対するインターネット上の情報の削除要請
イ 裁判上での主な対応策
①名誉権・プライバシー権侵害に基づく出版、報道等の事前差止め
②当該メディアに対する慰謝料請求、名誉を回復するための訂正・謝罪広告の掲載請求
誤報や偏向報道がなされた場合であっても、マスコミ側は明白な事実誤認がある場合でなければ要請に応じない傾向にあるので、長期間に渡る粘り強い交渉が必要となります。