早期釈放・保釈の方法

1.はじめに

逮捕・勾留をされてしまうと、最大で20日間もの身体拘束を受けてしまいます。また、起訴されて正式裁判に移行してしまうと、数か月単位もの身体拘束を受けてしまうことになります。このように身体拘束が始まると、通常、長期間の身体拘束が続くことになるため、仕事に行くことができず、職を失い、本人のみならず家族までもが路頭に迷うことになってしまうおそれがあります。このような事態を避け、早期に社会復帰することが重要となります。

弁護士を選任することによって、適切な弁護活動を受けることができれば、一日でも早く身体拘束から解放される可能性が高まります。本ページでは、身体拘束から解放するための手段を説明します。

2.釈放

釈放とは、主に起訴前の身体拘束からの解放のことを言います。釈放の流れは、下記図1のとおりです。

釈放のメリットとしては、以下のものが挙げられます。

①早期に身体拘束から解放されるほど、逮捕されたことが周りの人に知られないで済む可能性が高まる

②早期に身体拘束から解放されるほど、会社や学校を辞めないで済む可能性が高まる

③事件解決や裁判に向けた十分な準備ができる

逮捕
送検
勾留請求
検察官に対する働き掛け
勾留決定
裁判官に対する働き掛け
検察官に対する働き掛け
勾留延長請求
裁判官に対する働き掛け
勾留延長決定
準抗告
準抗告
終局処分
在宅捜査(釈放)

(1)逮捕直後に弁護士を選任する必要性

警察に逮捕されると、容疑者・犯人は、逮捕より48時間以内に検察官のもとに送致されます(刑事訴訟法203条1項)。そして、警察から送致を受けた検察官は、送致より24時間以内に容疑者・犯人を勾留するか釈放するかを決定し、勾留する場合には裁判所に勾留請求をすることになります(刑事訴訟法205条1項)。勾留請求を受けた裁判所の裁判官は、容疑者・犯人を勾留するか否かを決定することになります。この段階では、国選弁護士を選任することができません(刑事訴訟法37条の2)ので、私選弁護士を選任する必要があります。

この段階までに弁護士を選任することができていれば、検察官や裁判官に対し、容疑者・犯人にとって有利な証拠と事情を説明することで、勾留しないように働き掛けることができます。この働き掛けが認められれば、逮捕されていた容疑者・犯人は、逮捕より72時間以内に身体拘束から解放されることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、依頼を受けてからすぐに接見(面会)に向かうことが可能ですので、逮捕より72時間以内での身体拘束からの解放を目指すことが可能となります。

(2)逮捕より72時間経過後であっても弁護士を選任する必要性

裁判官が、検察官からの勾留請求を認めると、容疑者・犯人は10日から最大20日間、留置施設にて勾留されることになります。

この段階までに弁護士を選任することができれば、裁判官による勾留に関する裁判について、裁判所にその取消し・変更を申し立てるという準抗告という制度を利用することができます。準抗告がなされた場合、勾留決定の判断をした裁判官とは異なる3人の裁判官からなる合議体で勾留決定の判断の是非が審査され(刑事訴訟法429条4項)、当初の判断が不当であるとの判断が下された場合には、勾留決定は取り消され、勾留されていた容疑者・犯人は釈放されることになります。もっとも、準抗告の申立てには回数制限がありますし(刑事訴訟法427条)、2023年度の準抗告認容率はわずか18%程度です(『弁護士白書 2024年版』74頁参照)。

また、勾留時点から事情が変動することによって、勾留の理由又は勾留の必要がなくなったとして、勾留取消請求(刑事訴訟法87条)をすることで釈放を目指すこともできます。

さらに、上記手続きによって釈放が認められなかったとしても、病気治療のための入院、両親・配偶者等の危篤又は死亡などのために身体拘束を一時的に解放する勾留執行停止(刑事訴訟法95条)の申立てをすることで一時的な釈放を目指すこともできます。

したがって、釈放を望むのであれば、早期に弁護士を選任し、釈放に向けた弁護活動を始めることが望ましいと言えるでしょう。

3.保釈

保釈とは、起訴後の身体拘束からの解放のことを言います。保釈の流れは下記図2のとおりです。

保釈のメリットとしては、以下のものが挙げられます。

①会社や学校に復帰できる可能性がある

②示談や打合せなどの裁判に向けた準備が十分にできる

③留置場にいた際の身体的・精神的苦痛を受けることなく、裁判に臨める

起訴
保釈請求
1〜2日
検察官の意見
1〜2日

図2

(1)保釈を勝ち取る

保釈は、起訴後にしか請求することができません(刑事訴訟法88条)。そして、勾留されている被告人にとっては、一日でも早く身体拘束から解放されることが最大の利益です。そのため、保釈を一日でも早く勝ち取るためには、起訴前からの事前の準備が必要となります。具体的には、①被告人が罪証隠滅をする危険がないこと、②被告人が被害者や事件関係者及びその親族などに接触する危険がないこと、③被告人が逃亡する危険がないことを説得的に主張することができる準備が必要となります。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、保釈を勝ち取る可能性を少しでも高めるために、親族の方にも書面作成にご協力していただいております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、一日でも早く保釈を勝ち取れるように、様々な工夫を凝らしているので、迅速に対応することが可能となっております。

(2)保釈保証金の準備

保釈が認められるためには、保釈保証金の納付が必要となります(刑事訴訟法94条1項)。そのため、保釈請求の準備として、保釈保証金の準備をしていただく必要があります。

保釈保証金の具体的な金額は、被告人の資力や罪の重さ等を考慮して、裁判所が決定します。保釈保証金の相場は、現在、200万円前後といわれていますが、事案によっては、多額となることもあります。保釈保証金を立て替えてくれる日本保釈支援協会(「https://www.hosyaku.gr.jp/」等)の機関もあるので、こちらを活用してみるのも一案です。

なお、保釈保証金は、被告人が罪証隠滅行為等をせずに、裁判に出頭していれば、裁判終了後に返却されます。

(3)保釈の種類と条件

保釈には、権利保釈(刑事訴訟法89条)、裁量保釈(刑事訴訟法90条)、義務的保釈(刑事訴訟法91条)の3種類があります。
ア 権利保釈

被告人が以下の6つの事由(権利保釈除外事由と言います。)のいずれにも当たらない場合に、裁判所が保釈を許可しなければならないものです。

①死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪(強盗罪等)を犯したものであるとき

②前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役刑や禁固刑に当たる罪(殺人罪等)につき有罪の宣告を受けたことがあるとき

③常習として長期3年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪を犯したものであるとき

④罪証を隠滅すると疑うに足りる相当理由があるとき

⑤被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当があるとき

⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき

イ 裁量保釈
権利保釈の要件を満たさない場合であっても、犯罪の性質や情状、被告人の経歴、家族関係等から保釈を相当とする事情がある場合に、裁判所の裁量によって保釈が許可されるものです。
ウ 義務的保釈
被告人の勾留が不当に長引いたときに、裁判所が請求又は職権によって保釈されるものです。

4.おわりに

身体拘束の期間が長くなれば長くなるほど、生じる不利益は大きくなっていきます。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、一日でも早く身体拘束から解放されるように迅速に釈放・保釈に向けた弁護活動を行っております。

「何とかして早く外に出してあげたい」と考えておられるご家族の方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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