飲酒運転事故の弁護

1.はじめに

私たちが生活をするにあたって、自動車の存在はなくてはならない存在です。昨今、若者の車離れが取り沙汰されるなど、車を利用しない生活を送る人が増えています。しかし、マイカーを所有しないものの、旅行に行く際に、レンタカーを借りて運転するという人は多いのではないでしょうか。現に、運転免許を取得している人数は、令和6年時点で8174万2303人と多くの人が車を運転することができる環境にいます(警察庁『運転免許統計(令和6年版)』参照)。

特に、飲酒後の運転は、非常に危険です。飲酒をすると、安全運転に必要な情報処理能力、注意力、判断力等が低下してしまうため、重大な交通事故を引き起こす危険性を高めてしまいます。具体的には、危険の察知が遅れたり、危険を察知してからブレーキペダルを踏むまでの時間が普段よりも長くなる」等の交通事故につながる危険性を非常に高めてしまいます。警察庁の発表によると、令和6年度の飲酒運転による交通事故件数は2,346件であり、そのうち、死亡事故件数は140件です。「普段よりもお酒を飲んでいないから大丈夫」「運転する距離も短いから大丈夫」という軽はずみな発想で運転するのは良くないですが、万が一に備えて、飲酒運転をしてしまった場合の刑事責任と対応策を知っておきましょう。

2.酒気帯び運転・酒酔い運転の違い

(1)酒気帯び運転

酒気帯び運転とは、道路交通法上、基準値以上の呼気中アルコール濃度が検出された状態での運転のことを言います。具体的には、呼気1L中に検出されたアルコールの量が0.15mg以上であると酒気帯び運転と判断されます。

酒気帯び運転の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です(道路交通法117条の2の2第1項第3号)。

(2)酒酔い運転

酒酔い運転とは、アルコールの影響により車両等の正常な運転ができないおそれがある状態での運転のことを言います。酒気帯び運転とは違い、呼気中アルコール濃度の基準値といったものはなく、呂律が回っていなかったり、まっすぐ歩けないといった症状が認められた場合には、呼気1L中に検出されたアルコールの量が0.15mg未満であっても酒酔い運転として検挙されます。

酒酔い運転の法定刑は「5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」です(道路交通法117条の2第1項第1号)。

(3)飲酒検知の拒否

飲酒検知を拒否した場合の法定刑は「3月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です(道路交通法118条の2)。

(4)飲酒運転の容認・助長

飲酒運転による重大な死亡事故をきっかけに、社会全体で飲酒運転根絶の機運が高まりました。そして、その一つとして、2007年の道路交通法改正により、飲酒運転を容認・助長することになる車両提供者、酒類提供者、飲酒した者に運転を依頼した同乗者についても罰則が定められ、飲酒運転の処罰範囲が拡大されました(道路交通法117条の2、117条の2の2、117条の3の2)。

容認・助長\運転態様 酒気帯び運転 酒酔い運転
車両の提供
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
酒類の提供
2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
同乗者
2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金

(5)飲酒運転が発覚するのを免れるための行動をした場合

飲酒等の影響により、不注意による人身事故を起こした場合に、飲酒等の有無又は程度が発覚することを免れるために、更に飲酒等をすることをした場合には、「12年以下の拘禁刑」に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律4条)。

3.飲酒運転をしてしまった場合の対応策

上記のとおり、適用される罪によって、法定刑が大きく異なります。そのため、飲酒運転をしてしまった場合には、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、弁護活動を受けることが大切です。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所所属では、交通事故・交通違反を重点的に扱っているため、飲酒運転をしてしまった方の弁護を得意としている弁護士ならではの弁護活動を提供することができます。以下は、その一例です。

①警察官に対し、逮捕しないでほしい旨の働き掛け

②逮捕された方とすぐに接見(面会)して、取調べの対応のアドバイス及び事件の見通しについての法的なアドバイス

③調書作成までに間に合えば、調書作成の対応のアドバイス

④勾留請求までに間に合えば、検察官に対し、勾留請求しないようでほしい旨の働き掛け

⑤逮捕された方とご依頼者様が異なる場合には、ご依頼者様に対する接見の状況及び伝言の報告

⑥不起訴・無罪に向けた容疑者・犯人に有利な証拠収集(弁護士による証拠収集。示談交渉等)

⑦勾留決定前であれば、裁判官に対し、釈放してほしい旨の働き掛け

⑧勾留決定後であれば、裁判所に対し、勾留決定を取り消して釈放するように求める書類の提出

⑨接見等禁止処分が付されている場合、裁判所に対し、家族や関係者との接見(面会)を許可するように求める書類の提出

⑩検察官に対し、不起訴処分が妥当である旨の働き掛け

⑪保釈請求

⑫無罪獲得に向けた裁判準備

⑬執行猶予又は減刑に向けた裁判準備

実際に飲酒運転をしてしまったとしても、検知器の誤作動等を指摘して飲酒運転を立証する十分な証拠がないことを主張・立証したり、飲酒してから飲酒運転として検挙されるまでの間に相当の時間が経過している場合には、飲酒時の状況、飲酒量、飲酒後の経過時間、検挙時の運転手の状態等から飲酒運転の認識(故意)が認められないことを主張・立証することで不起訴又は無罪判決の獲得を目指すことができます。

また、飲酒運転の事実があるとして正式裁判になったとしても、飲酒運転の再発防止に向けた具体的な取り組みや環境作り(反省文の提出、アルコール依存症の治療促進、車の処分、免許返納等)が出来ていることを客観的な証拠に基づいて主張・立証することで、悪質とみなされる飲酒運転として実刑の可能性がある中でも、大幅な刑の減軽や執行猶予付き判決の獲得を目指すことができます。

加えて、飲酒運転による人身事故を起こしてしまった場合には、早急に相手方と示談をすることで人身事故の部分については立件をしないように捜査機関と交渉をすることで処分を軽くすることを目指すこともできます。

いずれにせよ、飲酒運転をしてしまったら、早い段階で弁護士に相談をし、適切な弁護活動を受けることが重要となります。

4.おわりに

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通事故・交通違反事件を重点的に扱っており、交通事故・交通違反に強い弁護士が初動から刑事裁判まで一貫してサポートいたします。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回相談は全て無料となっておりますので、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所所属の弁護士が、あなた様の不安を少しでも軽減できるよう、相談に対応させていただきます。

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